お願いアスラン

　僕は得意のハッキングで、地球連合軍の最重要機密ファイルに難なく侵入(アスランは今見ているページが国家単位の大物であるとはかけらも感じていないだろう)し、現在機密裏に造艦中の最新型某戦艦の設計図にたどり着いた。
「アスラン…これ、どうかな」
　ここまでたどり着くのになんの苦もなかったけれど、『頑張ったよ』風に見せるために少し俯き加減で、弱々しくそう言った。
　…もちろん、アスランにある言葉を誘導させるための演技だ。
「キラ…ありがとう！ここまでキラに頼って…ホントごめん。ここからは俺がするから、キラはしばらく休んでいて…」
　そんなこととは露知らず、アスランは僕が求めていたキーワードをあっさり口にしてくれた。