【脅迫関係】のお題

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気付いたら信号が変わっていた 信号を渡ろうとした時、横からブレーキの音が聞こえた 反射的に音がした方を見た 眩しさで目を閉じる 強い衝撃 身体が浮いた様な感覚 世界が回ったような視界 次に叩き付けられる様な感覚 僕の身に何が起きたかがよく分からなかった 身体中が痛い それと同時にどんどん身体が動かなくなっていく ただ、ぼんやりと分かった事 (あぁ、僕は死ぬんだ) 僕は、どこか他人事の様に考えていた 君が走って駆け寄って来る 僕の身体を触った君の手は真っ赤に染まっていた しかし、それに気にするそぶりを見せずに僕を抱きしめる 「――、――――」 必死な顔で僕に何かを伝えようとしている しかし、もう君の声も聞こえない 涙を流す君を見ていたくなくて でも、僕にはその涙を拭う事しか出来なくて どんなに涙を拭っても、どんどん涙が溢れてくる 君の顔が徐々に僕の血で紅く彩られていく (あぁ、綺麗だ) その場にそぐわない様な事を考えた僕自信に、思わず笑ってしまった 「大丈夫だよ」 何が、とかは分からない ただ、何となく思った事を口走っただけだから 案の定、君は驚いていた それと同時に涙が止まっていた 「ねぇ、あの日の約束覚えてる?」 君は小さく頷いた そして、止まっていたはず涙がまた流れ出した 「ずっと一緒にいるってやつ」 君は俯いてしまった 「今考えるとさ、僕等の約束って後にも先にもこれだけだったよね」 君は小さく頷いた 「最初で最後の約束が『ずっと一緒にいる』」 君は何も言わない 言えないだけなのかもしれない 「ねぇ、じゃあさ、約束守ってね?」 君は驚いて顔を上げた 「『ずっと一緒にいる』ってやつ」 そう言うと、僕は鞄の中からナイフを取り出し、それを君の腹部に思い切り刺した 「こうすれば、『ずっと一緒』だよ?」 君は信じられない者を見たような顔をした それと同時に君がどんどん紅く彩られていく 「綺麗だよ」 君が震えている 「何で、そんなに震えてるの?」 ついつい笑いが込み上げる 君のこの綺麗な姿を眺めていられるんだから 誰にも邪魔されず 「―――、―――――」 君が何かを言っている しかし、僕には分からない 「何を言っているか分からないよ?」 君は悔しそうに顔を歪める 「あぁ、そんな顔をしないで」
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