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「せっかくの綺麗な姿が台なしだ」
「――――――――」
君はまた何かを言っている
「だから、僕には何を言っているか分からないって言っているだろ?」
ついつい馬鹿にしたような言い方になってしまった
「…さてと、いい加減限界みたいだ」
僕は少しばかりきつく君を抱きしめる
君の抵抗はない
「もうじき、僕は死ぬみたいだ」
どこか他人事の様なのは些か不思議だ
君はもう何も言わない
「あれ?もしかして君の方が先に逝っちゃった?」
もう君は冷たくなっていた
「待ってて」
君を強く抱きしめる
「僕もすぐに逝くから」
僕の大好きな君を抱きしめたまま逝ける
なんて幸せな最後だろう
「『ずっと一緒』だよ」
僕はそう言って君に口付けをする
最初で最後の、約束
『ずっと一緒』
【最初で最後の、】End
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