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育児に区切りがつくようになったら、オレと沙穂は夫婦で再結成することになった。 そうなったらオレは男声も女声も両方使おうと思っている。 バカみたいに夢ばっかり追いかけてきたけど、貫き通して良かった。 始めは男が女性並の声を出せることでひかれたりしないかと不安でいっぱいだったが、ToMoのファンでいてくれた人達は今のオレでも応援し続けてくれる。 「知尋、ご飯できたわよ。」 沙穂が温かいお皿を持ってダイニングに現れる。 席について食卓を二人で囲んだ。 その傍らで、コンポから流れる二人の新しい門出が妙に心地よさを誘った。 完
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