猫と一緒

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さらさらと、頭から鼻先を。 気持ちよさそうに白い猫は目を閉じて。 今度は顎の下を加持の指が撫でる。 あー…羨ましい…。 あの指先が自分の二の腕を掴む様。 シーツを掻く姿。 「くそっ…」 ソファに背をトンと付ければ…白い猫の瞳と目が合った(気がした)。 ツンとすました顔で、フイっと鼻ごと逸らされた。 それから、顎裏から鼻先を撫でた加持の中指をペロリと小さなピンク色の舌が舐めた。 「おい」 つい眉間にしわが寄った。 「かぁーいなーお前」 加持は気をよくしている。 抱き上げて、顔を寄せてまたピンク色の鼻先にチュっと… 「…」 おもしろくねぇし… なんであの猫加持に懐いてんだ? お返しとばかりに猫もペロりと加持の唇を舐めた。 それから、また猫と目があった気がした。 「っ!!」 それはオレのもんだし!! 何してくれてんだ!! 猫にっては思うが、とうとうオレは立ち上がりもしやと思い加持の手から猫を取り上げた。 ぎゃぁぎゃぁと暴れるが知らねぇー… 持ち上げ猫の腹のほうを見る。 「…やっぱり」 「おい、青木!暴れてんだろうーが」 かわいそうだと加持の非難の目。 フギャーっと声を上げて暴れた白猫が床へストンと着地する。それからまた加持の足に擦り寄って。 「ほら、怯えてんじゃねぇかよ」 なー、アイツ怖いお兄ちゃんだなーと可愛い声を出す加持。 それからすべてを邪魔されて、何もできず終い。 加持には睨まれるし猫には引っかかれるし。 クソッ、あのオス猫め!!
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