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公園は本当にすぐ近くにあった。
私達は公園内にあるベンチに腰掛けていた。
私はぼんやりと公園の遊具を眺めていた。
本当に少ない時間だったが私もよく美由を…
「どうぞ」
「え?」
突然目の前に差し出された缶に私は戸惑いを隠せなかった。
「少しは気分良くなりますよ。」
彼女はにこりと笑った。
「ごめんなさいね…何から何まで」
「そんなことないです。」
彼女は再び微笑むと私の隣に座った。
そして腕に抱いている赤ん坊をあやしていた。
赤ん坊はさっきからずっと眠っている。
「可愛らしいお子さんね。女の子?」
「はいっ!由和って言います。私と母の漢字を取ったんです。」
その言葉に私はどきっとした。
まさかそんな訳がない。
子供の名前が由和だからと言って彼女が美由だとは限らない。
しかし…美由も彼女と同じ年ぐらいではなかっただろうか?
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