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しばらく歩いてたどり着いたのは病院だった。
「ここ…」
「私が生まれた病院です。この子は違うけど」
「…」
何故か背筋が寒くなった。
目の前に建つ病院はかつて美由を出産する時に利用していたところだったから
「本当はここで産みたかったんですけど…そうもいかなかったんですよね」
そう言って彼女は悲しそうにうつむいた。
「次行きましょうか?」
「え?」
「まだあるんです。付き合ってくれますよね?」
「…」
断る事はできなかった。
それは許されないような気がしたから
そして私はまた彼女と歩き出した。
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