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次に私達がついた先は…
「…」
私は言葉を失った。
「ここは私が預けられた施設なんです。お母さんは私に赤いランドセルを渡して…いなくなってしまいました。」
「…」
疑いだったものが確信へと向かっていく。
信じたくなかった…
まさか…この子が…
「ずっと待ってたのに来てくれなかったんです。そのうちに私は新しい両親に引き取られる事になって…」
私は得体の知れない恐怖に襲われていた。
目の前にいる彼女はあくまでも悲しそうに話すのに
何故…こんなにも逃げ出してしまいたい衝動に駆られるのだろう?
再会した時に私がやるべき事は一つで
その瞬間を何度も頭の中で繰り返してきたはずなのに…
ここから、今すぐ逃げ出したい
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