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「後一つです。」 まさに私が一歩踏みだそうとした時に彼女は言った。 まるで私が逃げ出す事を予想していたかのように 「これで最後ですから、付き合ってくれますよね?」 「…」 逃げだそうと思えば逃げる事もできた。 彼女が私を逃がさないように手を伸ばしてきたら、その手を払って逃げる事もできた。 けど…私は逃げれなかった。 まるで見えない誰かが私をその場に押さえつけているかのように 違う私が私を操っているかのように 「ついてきてくれますよね?」 私はもう…逃げる事はできない。
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