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そして私と彼女は歩き続けた。
公園より少し遠い
少しだけ懐かしい景色が私の視界に飛び込んでくる。
「…」
彼女がどこへ行こうとしているかなんてわかっていた。
この道の先には…
「覚えてるでしょう?」
私の先を歩く彼女が振り返って笑った。
「この先に何があるかを」
寒気がした。
それは決して長い間雨に打たれている寒さのせいではないだろう
「ついた」
「…!」
私の予想は少しも狂う事なく当たった。
「ここは私がかつてお母さんと暮らした家のあったところです。今はただの空き家だけど…」
彼女は私に振り返って笑った。
夫によく似た笑顔を浮かべて…
「そうでしょう?お母さん」
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