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けれど私にもついに限界がきてしまった。 どうしてもあの人に会いたい 例えどんなとこにいたとしても どんなに時間がかかってしまったとしても… その気持ちは日を追うごとに強くなり 私は夫を探しに行くことにした。 でも美由は… 美由は連れていけない。 美由だけには辛い思いをさせる事はできない。 私一人ならどんな状況でも耐えられる。 けどこの子は… 辛い選択だったが、私は美由を近くの施設に預ける事にした。 また三人で暮らせるようになったら必ず迎えにいく。 そう心に誓って… 美由と最後に会ったのは、こんな雨の降る日だった。 後数年もしたら小学生になる美由のために かなり早い入学祝いの赤いランドセルを渡して ―いい子にしてるのよ?― 不安そうに私を見つめる美由を元気づけるように ―美由…必ず迎えにくるからね― いつ叶うかわからない あてのない約束をして…
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