初診「うつ病」

4/8

751人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
義母は、義父のする事に無頓着な人でした。 というのは、義父に「それは違う」と言おうものなら、逆ギレされてしまうからです。 結婚自体、お互いの兄と姉に決められたそうで、義母としては嫌で仕方がなかったようです。   義母は、私達の前では私達を擁護する発言をしていましたが、腹の中で何を考えているか、よく解らない人でした。 うつ病で父親に逆らえなくなって、私と義父が喧嘩した際は、私の肩を持ってくれていたので、ずっと味方だと信じていました。 義母は、住み慣れた団地を離れたくないと、私達とは別居したいと伝えてきました。 しかし、同居を楽しみにして譲らない義父に、半ば引きずられるようにして、連れてこられたのでした。 よく40年あまりの結婚生活が送れたものだ、と不思議でなりませんでした。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

751人が本棚に入れています
本棚に追加