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剣が引かれ、どうにか命の危機は去る。依然として、いつ死んでもおかしくない状況なわけなんだけど。
「私はシエル・ロアと言う。お前の名は?」
シエル・ロアと名乗った白鎧を身に纏った美人さんはそう俺に訊ねながら剣を鞘に納める。
太陽の光で輝く金糸のような黄金の髪。そして碧い二つの綺麗な瞳。
──俺、こんな人に殺されかけてるんだぜ?
名乗られたんだから名乗り返すのが流儀、とか言う言葉をどこかで聞いた覚えがあるので俺もそれに応じる。
「神崎樹哉(カンザキミキヤ)」
「カンザ・キミキヤ?聞いたことのない発音だな。どちらが名だ?」
「カンザキ、ミキヤだ」
さて、じゃあ、そろそろ俺が何でこうなったかを話そう。
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