オリエンテーション

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「えっと…確かここは研究搭? じいさん農大の関係者?」 なんとか農大に戻った翼は老人に連れられ研究搭の前に来ていた 「一応この農大の名誉教授をやっておる」 翼は固まって頭を下げた 「なれなれしくして…すいませんでした教授!」 教授は笑いながら研究搭に入って行く 「気にせんでいい 教授なんて肩書きに過ぎん」 翼は苦笑しながら着いて行った 「すげぇー… 変な工場みたいだ…」 連れてこられたのは教授の研究室 相当な大きさの研究室に、結構な量の本棚 そしてビーカーやらなんやらに色々と液体が泡っている 教授は来て早々にコーヒーを入れ、翼に差し出す 「教授はなんの研究をしてるんですか?」 教授は本をペラペラ捲りながら唸る 「翼はもし植物や動物と話が出来て、自然の力を自由に扱えるとしたらどうする?」 翼翼は首を傾げ、訝しそうに教授を見つめる 「なんで俺の名前知ってるんすか?」 教授は微笑する 「入学生の顔ぐらい暗記しとるわ」 翼は感心しながらも教授に顔を向ける 「で、どゆことですか?」 教授は目を細め、翼の肩に手を置く 「既にワシが試している」 翼はさっきの事を思い出す 教授は走らずに宙に浮いていた それは紛れもない事実実翼は頭で否定しながら体が教授の元へ歩ませた 「それで…ここに連れてきて俺にどうしろって…言うんだ…?」 教授は翼に背を向けて歩き始める 「もし…君がそういう力を手に入れてみたいなら… 手を貸そう」 翼は突然の事で頭がチンプンカンプンになっていた 「そ、そんな事出来るのか?」 教授は何も言わずに頷いた 翼はあまり考える事なく答える 「俺…もっと自然を知りたいし、仲良くもなってみたい!」 教授は振り返りニッコリと笑う 「さすが見込んだだけはある! 普通だったら奇妙がって誰も承諾しないんじゃ」 それを聞いて翼はふーんと言い笑う 「だって面白そうじゃん!」 教授は頷いて一つのビーカーを取り出す 「この中には脳を自然調和させる成分が入っている 飲めば世界が変わって見えてくるじゃろう」 翼は少し緊張した面もちで受け取り、一気に飲み干した
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