秋月型防空駆逐艦について

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秋月型は甲型駆逐艦と同じエンジン(ボイラー)とタービンを積み5万2千馬力を発揮しました。 ボイラーやタービンを新しく設計すれば半年以上かかるから流用しました。 しかし機関室は甲型とは違い、機械室と前後半分に仕切りを設け、左舷のタービンは第一主機室に、スクリュー軸の短い右舷タービンは後方の第二主機室に収めました。 これは丙型の「島風」と同じでした。 三つのボイラー(缶もしくは罐)は第一主機室の前のボイラー室に入れました。 これは「松」型駆逐艦の様な完全なシフト配置ではありませんが、多少実験的な意味もありました。 一番缶は、二、三番缶から離れて船体前部の艦橋後部の真下にありました。 ここに従来の様な直立煙突を立てると煙が艦橋へ逆流し(艦橋の巻き起こす気流により)信号が見えなくなる。 そこで一番缶の排気は後方へ湾曲させた後ろの煙突と上方で結合させました。 この方法は戦艦「大和」や軽巡洋艦「夕張」や重巡洋艦等にも見られます。 秋月型の煙突は大きさ、外見共に「夕張」と似ているため、米潜水艦はよく、司令部に「夕張」が現れたと報告したそうです。
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