Allegretto🎶

～愛情～

「愛美……」

奏は涙が溢れて来た…

そして愛美達のような友人が居てくれた事に感謝した…

そして秀二が愛美と一緒になって本当に良かったと今では思えた…

「奏…今から難波先輩のお宅に行ってみませんか？」

「……でも………」

「大丈夫ですわ…私もお話したいですし…」

「……分かったわ…」

二人は難波の自宅に向かう事にした…

そして二人は一樹の自宅に着いた。

まっすぐ一樹の部屋に向かう…

廊下を歩いてるとピアノの音が響いていた…

とても綺麗で透き通るような音色だった…

だがどことなく力が入り過ぎている所もあった…

「先輩…荒れていますわね…」

「……ええ…なんだかイラだってるようで…」

二人はノックをして部屋に入った…

すると愛美は一樹の姿に目を見張った…

「先輩………」

一樹は二人に気付きもせずひたすら鍵盤を叩いていた…

「難波先輩！」

愛美は思わず大きな声で呼びかけた…すると一樹がやっと気付き手を止めた。

「…愛美……何故ここに…」

「先輩がお帰りになったと聞いて会いに来ましたの…」

「そうか………元気みたいだね…この前は秀二に悪い事してしまったよ…」

「気にならさないで…秀二も分かっていますわ…」

「………すまない……うまくいかなくて……」

「先輩…奏さんは先輩の事が心配なんですよ……少し落ち着かれた方がいいですわ…」

「俺はデビューしたいんだ…それは俺の奏への想いなんだ…」

「一樹……」

奏は一樹の言葉が心にしみた…

一樹のピアノは奏への愛情の証なのだ………