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「っと、その前に…貴方はRPGをやる?」
「やりますよ。休日はそればっかやってます」
「あら、なら話は簡単ね」
そう言うと、女はコウの額に手を当てた。
瞬間、まばゆい光がパァッとコウを包む。
「―――……」
瞬間、物凄い情報量がコウの頭の中を駆け巡る。
「(な…んだこれ……!わかる…魔法の仕組みが…!)」
魔法の基本は黒魔法と白魔法。
黒魔法は主に攻撃、白魔法は主に医療系。
しかし白魔法属性の者は、『赤魔法』を覚える事が出来る。
赤魔法は、主に製造能力…。
黒魔法属性の者が赤魔法を覚える事は出来ない…。
魔法発動には呪文が必要であるが慣れれば唱えなくても発動できる。
石は魔力をチャージするもので、使えばもちろん減る。
色が薄くなり完全に透明になったら魔力がカラになったと言う事…。
そうしたら町の宿屋に行けばチャージする機械があるのでそこで溜める。
「……すごい」
「わかりました?」
「うん、凄く。ゲームに出てくる単語ばかりだ」
「ふふ…良かった」
コウがそういうと女は額から手を離し、距離をとった。
コウは必然と石を握りしめ、女を見据える。
「流れた映像で、どうやって魔法が発動できるか…理解できた筈よ」
こく、と無言で頷くとコウは自然と…そう、まるでいつも通っている道を歩いて帰るかのように、ごくごく自然に躊躇もなく"ソレ"を行った。
「リル・バロウラ」
瞬間、コウの手から…いや、握りしめている石から、黒いモヤモヤしたオーラが漏れ出す。
それは握りしめている手の上に集まり、球体になり、まるで黒いマリモのような形状になった。
大きさはコブシ二つ分くらいだろうか。
女はこれを見るなり、慌ててシールドをはった。
「まさか…リル・バロウラを発動できるなんて…」
「…発動」
「うっ…!!」
その黒いマリモは、早くもなく遅くもないスピードで真っ直ぐ女の元に走って行き、シールドに当たった。
バチバチバチッと言う衝撃音がなり響き、シールドをはっていつつもその衝撃に女は苦しそうに声を噛み殺した。
「(リル・バロウラは…黒魔法…レベル10…!素人が発動できる魔法じゃない筈なのに…!!)」
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