出会いたくなかった出会い

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「どこ、ここ」   ボソリと言葉を吐き出した先の景色は、賑やかな街。   「……………混乱してきた」   だって、自分はさっきまでベッドに倒れこんでいたわけで。   「えー、うん、自分はわかるよ、確かに。僕は…」   篝火コウ、高校一年生、AB型の牡牛座……。   「大丈夫、ちゃんとわかる。 …………問題は、ここがドコなのかだよなぁ…」   泣きそうになりながらも、足を踏み出すと、住民の一人がコウを見つけた。 そして、歩みより声をかけてきたのだ。   「κ…ιμ∫ые?」 「は?」   何か言ってるのだろうが、理解できない。 聞き覚えのない言葉だった。   (………何語??)   「えー…、ドゥ…ドゥ ユー キル ミー?」   って   (私を殺しますかってなんだよ!落ち着け、落ち着け…。今こそ英検二級の腕を見せるとき!)   「е…∮юяй…」 「ア…I Don't speak Japanese!」   (↑私は日本語が喋れません)   …………。   「間違えた…」   違う、違うよ。   『私は貴方が使う言葉は理解できません。英語は理解出来ますか?』   って聞こうと…   「Гекйо!」 「え?何………………」   突然向こうから人がやって来た。 しかも、白い騎士の格好に身を包み、真っ黒い馬にまたがってやって来たのだ。   「これ、女の子だったらときめくんだろうね…」   もっとも白馬の方が良かったかなぁ。 なんて思っていると、黒い馬に乗った騎士がコウに近づいて。   「えっと…僕貴方たちの言葉理解できないんだけど…」 「わかっている。」 「そう、良かっ………ぅぇえ!?」   (日本語理解出来る人がいる!!)   コウにとっては素晴らしく嬉しい事だった。   「私達、クラウ族の国にようこそ少年。私はレディヌだ」 「ど、どうも…」   握手を馬の上から求めるレディヌと名乗る騎士。   (……今の時代にこんな所あったかな…騎士なんて…)   「まずは城に案内しよう。そこで説明したい事もあるんだ。さ、馬に乗りたまえ」 「はい…」   金色の髪をオールバックの髪型しているレディヌ。美形と言えば、美形かもしれない。   コウはレディヌが差し出す手を取り、背中にしがみつきながら後ろに乗った。
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