7人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこ、ここ」
ボソリと言葉を吐き出した先の景色は、賑やかな街。
「……………混乱してきた」
だって、自分はさっきまでベッドに倒れこんでいたわけで。
「えー、うん、自分はわかるよ、確かに。僕は…」
篝火コウ、高校一年生、AB型の牡牛座……。
「大丈夫、ちゃんとわかる。
…………問題は、ここがドコなのかだよなぁ…」
泣きそうになりながらも、足を踏み出すと、住民の一人がコウを見つけた。
そして、歩みより声をかけてきたのだ。
「κ…ιμ∫ые?」
「は?」
何か言ってるのだろうが、理解できない。
聞き覚えのない言葉だった。
(………何語??)
「えー…、ドゥ…ドゥ ユー キル ミー?」
って
(私を殺しますかってなんだよ!落ち着け、落ち着け…。今こそ英検二級の腕を見せるとき!)
「е…∮юяй…」
「ア…I Don't speak Japanese!」
(↑私は日本語が喋れません)
…………。
「間違えた…」
違う、違うよ。
『私は貴方が使う言葉は理解できません。英語は理解出来ますか?』
って聞こうと…
「Гекйо!」
「え?何………………」
突然向こうから人がやって来た。
しかも、白い騎士の格好に身を包み、真っ黒い馬にまたがってやって来たのだ。
「これ、女の子だったらときめくんだろうね…」
もっとも白馬の方が良かったかなぁ。
なんて思っていると、黒い馬に乗った騎士がコウに近づいて。
「えっと…僕貴方たちの言葉理解できないんだけど…」
「わかっている。」
「そう、良かっ………ぅぇえ!?」
(日本語理解出来る人がいる!!)
コウにとっては素晴らしく嬉しい事だった。
「私達、クラウ族の国にようこそ少年。私はレディヌだ」
「ど、どうも…」
握手を馬の上から求めるレディヌと名乗る騎士。
(……今の時代にこんな所あったかな…騎士なんて…)
「まずは城に案内しよう。そこで説明したい事もあるんだ。さ、馬に乗りたまえ」
「はい…」
金色の髪をオールバックの髪型しているレディヌ。美形と言えば、美形かもしれない。
コウはレディヌが差し出す手を取り、背中にしがみつきながら後ろに乗った。
最初のコメントを投稿しよう!