出会いたくなかった出会い

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コトリ。   金色の装飾が施されたワイングラスが目の前に置かれる。   コウは、とてつもなくデかい城の食堂に腰かけていた。 レディヌも向かいに座る。   「さて少年。名はなんと言うのかな」 「あ、はい。篝火 コウです」 「篝火……素敵な名だ。私は先程名乗った通り、レディヌだ。 カーフィン・レディヌ」   言って、一口飲み物をすする。 コウは未だ口をつけない。   「素敵なお名前ですね。………僕はお酒飲めないのですが」 「飲めない?今幾つかな?」   驚いたように顔を上げる。   「16です」 「なら大丈夫……あぁ、日本では20からなんだったかな?」 「…はい」   ここは10歳から酒は飲んでいいからね。 と呟くレディヌ。   「10から?!早いですね…」 「そうかい?因みに結婚は8歳から可能だ」 「………はぁ…」   じゃあ気軽に○○ちゃんと結婚するーなんて言えない訳か… と一人納得。   「日本は少々変わっているな。20歳からじゃないと飲めないなんて」 「…いや世界の殆んどがこのくらいですが」 「ハッハッハ、私達の世界では大体10歳前後だ」   大口を開けて笑うレディヌに、少々コウは苛立ちを覚えた。   「…ふぅ。さて、話の本題に入るが…」   レディヌがパチンっと指を鳴らすと、コウのグラスは下げられ、代わりにホットカップが置かれた。 匂い的にハーブティだ。   コウはソレを口に運んだ。   「ここは君達の世界ではない」   ごぷっ…   コウの口からハーブティが溢れた。   「ッッ!?」 「おや、大丈夫かな?…爺!タオルを」   パンパン、と手を叩くと奥から老人が真っ白な布を持ってやって来た。 レディヌがタオルを受け取ると、コウの口に当て、丁寧に拭き取る。勿論机のもだ。   「ゲホッ!」 「どうかしたかな、少年……いやコウ」 「どうしたも何も…どういう事ですか…」   確かにこの次世代、こんな城も地形も言葉も格好もおかしいとは思っていたけれど。   「だから、君が住んでる世界とは違う世界なんだよ。 だからココには日本もない」   タオルをたたみ老人に手渡す。 コウは元々混乱していた頭が更に混乱するのを感じた。   「ちょ、待って下さい。意味がわかりません」 「だろうね。前に来た少年もそう言っていたさ」   ニコニコと笑いながらコウをみつめる。    
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