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「撃て撃て、メディウスのAFを撃破するチャンスだ!」
地上では火星政府軍‘マルスアルマ’のCFダルムが採掘施設に爆撃を行っていた。
あわよくば、市民2人の犠牲で敵AFを撃破出来る。
目先の戦果に捕らわれた哀れな考えだ。
『アナタ達見捨てられたわね』
「まあ、判ってはいたけどなぁ」
幾度にも行われている爆撃で、崩落が始まった採掘場内、落ちてくる瓦礫を避けてはいるものの、次第に逃げ場は無くなっていく。
『アナタ達とは此処でお別れね、また後で掘り返しに来た時に手ぐらいなら合わせてあげるわ、じゃあね』
それだけ言うと、紅いAFは転身、出口の方を向いたかと思うとスラスターの出力を一気に上げ瞬く間に加速し地上へと向かって行った。
「アルギス!掘り返してたAFの側へ行け」
アルギスの父は息子に通信を入れるが、アルギスからの返信は無い。
「なっ、お前何やってるんだ!?」
父が見たのは既にAFに近づき、CFの腕部をつたってAFの背部にあるコックピットを開け、中に入って行く息子の姿だった。
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