胎動

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「あれは……」 地上に出たアルギスが見たもの、それは残骸に変わり果てたCFの中に佇む、紅いAFの姿。 『アルギス、やれるか』 「やるよ、死にたくはないからね」 父を降ろし、紅いAFの方に視線を向ける、敵もその様子を確認していた。 「まさか、乗って出てきてくれるなんて、願ったり叶ったりだわ」 紅いAFが背部の翼を広げ上昇していく。 《データ更新、敵AFをAFMX・イシュタルと断定、戦闘ステータスは不明》 ディスプレイに映る表示に苦笑のアルギス、一通りの武器に目を通し彼が選んだのは……二本の剣 「勝手に人の土地荒らしやがって」 イシュタルを見上げ剣を構える。 「素人が私とやろうっての?」 イシュタルのパイロットは短銃を二丁構え、白銀のAFに照準をあわせる。 それに応えるかのように、アルギスは両足のペダルを踏み込み、スラスタ-の出力を一気に上げアンシャルを紅いAFへと加速させた。 「許さねえぞ!!」 「はっ、なんの冗談!!」
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