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「しまっ!!」
咄嗟、イシュタルのパイロットは両足のペダルを足の甲に掛け力一杯引いて、後方に回避行動を行うも片足を失ってしまう。
ホーミングレーザーに気を取られ過ぎた結果だ。
「退けよ!お前!」
アルギスの駆るアンシャルがイシュタルに手をかざす、三つの光球がその動きに連動し、かざした手の平に集まりゆっくり回転を始めた。
「くっ、うかつだったわ、まさかアンタみたいな素人にやられるなんてね……アンタ名前は?」
『ア、アルギス・アーヴィン』
「アルギス、覚えたわ、私はレイカ、レイカ・フェニックス、覚えておきなさい、その機体、いつか貰うわよ」
そう言い残すと、レイカと名乗ったイシュタルのパイロットは、背部の翼に内蔵されているスラスターで機体をホバリングさせたまま、機体腕部内蔵アンカーで切られた脚部を回収し、脇に抱え高度を上げて行った。
「ハァ」
深いため息をついたアルギスは機体を着地させ、コックピットハッチを開けた。
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