始まりの音

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「なぁ、アルギス」 「なんだよ」 「また、ゲーム行かねえか?」 「いや、今日は真っ直ぐ帰る」 「しゃあねぇな、じゃあまた今度な」 友人とのたわいの無い会話、毎日が同じように繰り返されるだけのはずだった。 ここ‘ネスト’という街では火星では稀少価値の高いエネルギー資源‘エンリル鉱石’の採掘を行っている為、非武装地区に認められている。 「ただいま」 「おう、お帰り」 帰宅したアルギスは玄関で今から仕事に出るのか、父と遭遇した。 「今日から夜勤?」 「おう」 「気をつけてな、さっきも採掘場の近く通ったら、作業用のCFが事故ってたからね」 CF(コンバットフレーム)とは宇宙開発の際、ホーム開発の為に製造された人型の重機の事で元々WF(ワークフレーム)と呼ばれていた。 しかし、人類が再び戦争を始めた今では、兵器として製造されるようになってしまった為すっかりCFの名が定着してしまっている。 「じゃ、行ってくる」 「行ってらっしゃい」
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