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「マジかよ」
アルギスは呟く、自分の体に掛かる負担の事など完全に度外視だった。
アルギスの呟きに反応した量子ディスプレイには、ただ一言と浮かんでいるだけだ。
「アンシャル、何か方法はあるか?」
《ここより先、北東32キロ地点に民間のシャトル打ち上げ施設の存在を確認、貨物運搬用のシャトルを徴用して引力圏を離脱する事を推奨します》
「シャトルを盗むのか!?」
《今の状況下では仕方ありません》
ディスプレイの文字にガクリと頭をうなだれるアルギス。
仕方無く機体をシャトル打ち上げ施設へと進めるが、やはり煮え切らないようだ。
「普通に貨物として乗せてはもらえないのか?」
《シャトル搭乗料と貨物運搬料をお持ちなら可能です》
ディスプレイに浮かんだ文字に、アルギスは再び頭をうなだれてしまった。
「持ってるわけねぇよ、あんな状況だったのに」
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