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《機体固定》
両手の操縦桿を一気に前に押し出し、両足のペダルも一気に踏み込む。
途端、シャトルは轟音と共に加速を始める。
「ぐう」
襲いかかる加速。
体がコックピットのシートに押し付けられていく。
空を飛ぶだけならそこまでの加速はいらない。
宇宙へ向かうからこそ、体に負荷が掛かる程の加速が必要になるのだ。
《離陸します》
増していく加速、そして感じる浮遊感、シャトルが地面から離れた。
《背部ブースター点火》
「ぐ!」
更にシャトルは加速する。
アルギスの耳には轟音しか聞こえてこない。
《雲を抜けます、衝撃に備えて下さい》
「む……り」
シャトルは雲を抜け更に上を目指す、眼前に迫る宇宙を。
そんなシャトルを敵艦が捉えた。
《敵艦よりレーザー、来ます》
スピードに乗り、後は大気圏を離脱するだけのシャトルに敵鑑の砲撃が迫る。
掠めていくレーザー。
レーザーがシャトルを掠める度シャトルはガタガタと音をたてる。
止まっている訳ではないのだ、そう簡単には当たらない。
しかし当たらない訳でも無い。
《レーザー接近、直撃コースです》
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