地球へ

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(くそ、死ぬのかよ) 回避は出来ない。 大気圏離脱の際の軌道変更は危険だ、下手をすれば死ぬ、シャトルが空中分解しかねないのだ。 「っち」 恐らくは後方に迫っているのだろう、レーザーに対して無抵抗のまま死ぬ。 アルギスにはそれが歯がゆくて仕方無かった。 《新たに熱源接近、シャトルと敵艦の射線上に入ります》 (なんだ?) ディスプレイに映し出される、アンシャルと恐らく敵艦のマーク。 その間、シャトル寄りだが真下から、アンシャルと敵艦の射線上に機影が割り込んだ。 《敵艦よりの砲撃消滅、未確認機よりデータ受信しました》 シャトルへの攻撃が、未確認機により防がれたと言った方が妥当だろう。 「父さん?」 確証は無い、しかしアルギスにはそう思えて仕方無かった。 そして少年を乗せたシャトルは加速する、まだ見た事無い宇宙へ向かって。
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