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ディスプレイに表示された顔写真は確かに父の姿だった。
それをみたアルギスは目を丸くして驚いていた。
「待てまて、父さんがどっかの会社の社長だと?」
父がアンシャルに乗り、前大戦を戦ったのは知っている。
しかし、どこかの企業の社長だというのは初耳だ。
ディスプレイに表示された写真を、何度も確認するアルギス、やはりどう見ても父にしか見えない。
アルギスは更に混乱していく、そんな時ある事を思い出した。
「さっきの、ディファインドだっけか、あれから送られてきたデータは?」
《ウイルスチェック終了済み、ウイルスの可能性0。
音声データと添付ファイルです》
「音声データを……」
《了解しました、音声データ再生します》
ディスプレイに浮かぶsound onlyの文字。
コックピットの中でアルギスは先刻別れた父の声を聞いた。
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