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『今これを再生してるって事は、どうやら俺の予想通り、シャトルで宇宙に行ったんだな』
父の声に混じって機械の駆動音が聞こえる。
どうやら移動中に録音したようだ。
『本当に済まない、お前を巻き込んでしまって、時間がない……次に会った時に全て話す、絶対に生き延びろよ』
ただそれだけだった。
地球に向けシャトルは加速を続ける。
「生き延びるよ父さん……聞きたい事が……たくさん……あるから」
アルギスは、シートに深く腰を掛け直し目を閉じた。
急に色んな事が起こり過ぎて、精神的にも肉体的にも疲労していたアルギスを睡魔が襲ったのだ。
父が一体何者なのか、そんな事を考えながら、アルギスは眠りについた。
《動力及び各種レーダー、センサーを残し待機モード、良い夢を》
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