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一方、アルギスの乗るアンシャルの鹵獲に失敗したイシュタルのパイロット。
レイカ・フェニックスは母艦へと帰還していた。
｢中尉、例の機体を追撃していたアップグルントが先程撃沈されました｣
オペレーターの言葉に耳を疑うレイカ、自分が撃退されたのは油断からだ。
追撃隊には心して掛かるように命じていた。
決して油断はするなと。
｢アイツにやられたの？｣
｢いえ、アレとは別のＡＦが……｣
｢別のＡＦ？ 識別は？｣
｢不明です、火星側の新型かと｣
｢今アイツらに新型を造る余裕なんて―｣
突然現れた謎のＡＦ、その正体を見極めんとするレイカの思考を、別のオペレーターの言葉が止めた。
｢中尉、ケイオス大佐より通信が｣
｢繋いで｣
暗いモニターに１人の青年が浮かび上がった。
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