邂逅-2機のアーキタイプ-

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火星を出て数日、アルギスは退屈していた。 話す相手はアンシャルのAIのみ、旅客用ではないシャトルに、テレビやメディアプレイヤー等が有るはずも無い。 そんな折、シャトルの機内放送が鳴り響いた。 内容は「直ちに貨物室へ」という物だった。 ここ数日、敵の追撃も無く、気が緩んでいたアルギスに緊張が走った。 「敵か!?」 《シャトル前方に大型のデブリが接近、排除して下さい》 アルギスは表示されたディスプレイの文字に、安堵の溜め息をつく。 「なんだ、敵じゃ無いのか……迂回とか出来ないのか?」 《大幅にコースを変える事になります、そうすれば計算上、機内の食料及び水が底をつきます》
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