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「全然頭に無かった、そうだ、宇宙にいる限り水も食事も無限じゃない」
そして、アルギスは初の宇宙での船外活動を体験する事になる。
《エアーロック減圧確認、ハッチ開きます》
「シミュレーションは何回かやったけど、行けるか?」
ゆっくりとアンシャルがシャトルから宇宙へと出る。
初めて体感する本物の宇宙、完全な無重力。
「やっぱりシミュレーションとは違うか、バランスが――」
操縦桿をなんとか操作し、体勢を立て直そうとするも、慣性によって回転を始めた機体は、なかなか止まらない。
《自動姿勢制御》
「最初からやってくれ」
AIの助けで、簡単な姿勢制御はどうにかなるようだ。
アルギスは宇宙に慣らすかのように、機体を少しずつ移動させ、機体をシャトル前面のデブリに向けた。
「デカいな……いやホントに」
アルギス、アンシャルの前に立ちはだかる巨大な残骸、それはいとも簡単にアルギスの視界を完全に覆い尽くした。
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