始まりの音

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父に手を引かれ、逃げ出したアルギス、しかし紅いAFが2人の前に先回りして道を塞いだ。 後ろからはCFが迫る、完全に逃げ場を失った訳だ。 『あなた、この採掘施設の作業者ですね』 紅いAFから聞こえてきたのは若い女の声だった。 「作業着を着てちゃ、違うとは言えんわなぁ」 『採掘ポイントJ24って何処かしら?』 その場所に何が有るかなんてアルギスには到底判らないが、父は何か思い当たる節が有るみたいで、小さく舌打ちした後、口を開いた。 「俺は下請けでなぁ、まだ詳しくは知らねぇんだ、すまねぇなぁAF乗りの姉ちゃん」 『嘘を言わないで、さっき舌打ちしたでしょう?』 「ちっ、なんて集音性能だよ」
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