…大好きだよ

～デート～

　デートも普通にしていた。普通のカップルのように、ごくごく普通のデート。ショッピングしたり、映画見たり、遊園地で遊んだり…これといって、特別なことはない。
　そして今日もデートの予定だった。
　１０時に待ち合わせ。いつも通り、５分遅れで到着する沙織。付き合った当初は｢遅れてごめんね｣の一言があったが、今ではそれが当たり前になっているかのように遅れてくる。そして一言も謝る素振りもなく｢行こっか！｣と笑顔を見せる。俺は文句の１つも出てこない。文句を言ったところで｢女の子はオシャレに時間がかかるの～｣と相手にされない。だから文句を言っても無駄なのだ。

　今日のデートコースは、ショッピングして、ご飯食べて、ゲーセン行って…。いつもと変わらないデートコース。いつもと変わらないのに飽きないコース。まぁ、これがベストなのかもしれない。
　昔から｢女は男の３歩後ろを歩く｣という、古い考えかもしれないがそういう言葉がある。しかし、完全に｢男が女の３歩後ろをついていく｣状態。沙織に必死についていく俺。そして、荷物持ち。今日も服やら靴やら買い込んでいる。