1…俺。

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俺は竹下和輝、高1。 ただの野球バカ。 勉強もできないし、顔もそんなにカッコ良くない。 優一自慢できる事が野球だった。 けれど…… 『奥さん…。もう息子さんは…野球をする事が出来ません。』 医者から母へと告げられた一言。 今まで積み上げてきた物が、音をたてて崩れ落ちてゆく。 今だに信じられない。 このケガが…なんだって言うんだよ…。 大した事ないのに… 医者はいい加減な事、言いやがって…。 『あぁ~~~!!』 俺は大声で叫んだ。精一杯の声で。 もう何もかもが嫌になった。 俺は…夢がなきゃ生きて行けない。 もう俺には… 生きる意味など、 なくなってしまったのだ。 明日から、何をすればいい…? 俺には、野球しかないのに…。 何に向かって走ればいい…? もう、夢は叶わないのに…。 もう俺はおしまいだ。 本気でそう思った。 そう思ったのに… 君と出会ってしまったんだっ。 今にも雨がふってきそうな、曇り空の下で…。
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