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2…バカな俺。
『竹下くん?』
『えっ?』
思わぬ君の一言。ちょっと怒りが収まったような気がした。
何でか顔がにやけてしまう…。
今日は、悲しい事があったのに…。
『何してるの?』
声をかけてきたのは、中本優芽。
清楚でキレイ系のやつ。
『いっ…いやっ…何もしてないけ…っ…どっ!?』
言葉が何かおかしくなる。
どうしたんだ俺!?
何か…野球の試合より緊張してくる。
胸の鼓動が激しく波打つ。
『今日野球は?』
〝ズキッ!!〟
心の奥に何か刺さった様な気がした。
胸が痛いっ…。
『どうかした?』
それでも…何も答えられない。
今だに受け止められないからだっだ。
カッコ悪くて言えやしねぇ…。
ケガしただけで、夢がぶっつぶれたなんて…。
きっと嫌われる。
『何でもねぇ~よっ…。』
俺は小さな声でボソッとつぶやいた。
そうでもしないと悲しみに押しつぶされそうだったから…。
俺は、ただの野球バカ。
だからかなっ…
今、俺は何をしたらいいのかなんて、全くわからねぇー。
でも、やっぱり、スキな事を無我夢中にやっていたい。
スキな人のそばで笑っていたい。
それだけは、バカな俺でもわかるよ。
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