三章

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「はあ」 と ため息。 6畳の城で、 わたしはココアを一口飲んだ。 ベッドに座って、 テディベアを手にとり、 ぎゅう と抱きしめてみた。 「はあ」 と 二度目のため息。 (ため息ばかりつくと、 妖精が死んでしまうらしいよ) テディベアが言う。 「ああ・・・どうしたんだろう、」 頭がモヤモヤする。 テディベアの妄想も  少しやめよう。 「嬉しい なー」 そう、わたしは とても嬉しい感情と、 今戦っている。 というよりも困惑している。 ココアをもう一口飲んだ。 「心臓がついていけない」 頭の中をずっとずっと、 御影さんと話した 今日の瞬間がめぐる。 そして、その瞬間の自分に 戻りたいと思う。
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