三章

8/8
前へ
/98ページ
次へ
「あ、サラちゃんおはよう」 と、店の奥から いいタイミングで店長が出てきた。 「おはようございます」 ふう、と、肩の力が抜けた。 御影さんが店長みたいな人柄なら、 どれだけ楽だろう。 「あ、そうそう、  近くのパン屋さんで、  パン買ってきたんです。  よかったら、お二人とも食べてください」 店長が来ただけで、 わたしもこんなに簡単に、 話ができるし。 「ほんとに。嬉しいなーありがとうね。  御影くんもいただこうよ。  コーヒー入れてくるね。」 御影さんは、また無言のまま、 こくりと頷いた。 そして、"夜猫となみだ"を、 また静かに読み始めた。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加