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「私ってよっぽど男から恋愛話の相談を受ける身の上なのね、しかもいい男ばっかり」
「…」
「章介からもね、惚気なのか相談なのか分からない話を一杯聞かせられたわ。
あ、な、た、のね。和樹君」
「俺の?」
「もっと章介を信じてあげてよ
こんないい女に見向きもしないくらいあいつはあなたしか見ていなかったんだから。」
「俺だけを…見ててく…れた?」
「あの日あなたがドアを閉めて出ていった後、章介泣いてた。
始めて見たの、あんなに胸を痛めて泣いてるあいつを。
あなたも辛かっただろうけど章介も同じように辛かったはずよ。愛していたんだからなおの事ね」
彩の言葉に、和樹は胸の中にあったものが転げ落ちていくのを感じた。
俺に出来る事は守られなくても立てるくらいに成長する事だ
このアメリカで留学生として最後の大学生活を真っ当して、就職して胸張って世間にだって負けない強さを身につける事
それが章介さんの望んだ事だから
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