chapter.1 Game Start!

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「これなら、俺も暫くの間は暇を潰せそうだな」 店内をぐるりと見回し、さっきの店前での修羅が如き表情が、まるで嘘のように穏やかになった神倶夜に、ほっと安堵の溜め息を神楽はついた。 「神倶夜ってさ、こーゆうの割と好きだよね?」 小さなガラスの小物を手で摘むと神倶夜の視線の高さまで持ち上げてみせた。 「…ん…?あぁ、まぁな。見てるだけで何時間も過ごせそうな気がする」 少し表情を和らげて笑う神倶夜は黒夜さまじゃなかった。 「ここだったら、神楽の買い物に付き合っても良い」 くそぅ…なんかクールな男が小物好きって可愛いじゃないか!なんか萌えを感じ─。 「さっきの店と同じだったら五体満足でいられなかったな」 「…え、マジで?」 神倶夜のタイミングを見計らったかのような台詞に身震いをした。 お兄ちゃあぁあん!!その五体満足って、わたしの手足ですか!?火曜サスペンス劇場ですか!! 怖ぇーよ!AB型。クールドライだよ!ハンパねぇ!!渇き切ってる絶対零度だよ!! 何を考えてるか分っかんないし、秘密主義だし。 …ん?わたしはAB型と違うぞ?O型だよ。二卵生双生児だから血液型が違うよ。神倶夜にルックスは似てりゃ良かったのに。 O型は思った通りって?いやぁーそれ程でも。 「さっさと嫁を引き取ってこい。俺、学校に用事があるし」 お兄さま、今日は休日ですぜ。ん?いや、気付いてるなら、わたしの用事に付いて来ないか…。 「何で?神倶夜、補習でもあるの?」 「補習は神楽の方だろ。参考書を学校に置きっぱなしだから、取りに行く」 この学年トップが!!わたしをいたぶって楽しいのかァア!?…ミスターパーフェクトめ!! 「うぇええ!?休みなのに勉強すんの?─ってか、わたし補習?オゥ…ミステイク、初知りでーす」 聞いてねーよ先生。何でマイブラザーが知っとんねん!! 「学年トップ者の表の下に補習者名簿が貼ってあった。確か…数学と理科だったな」 「この鬼畜ゥウウ!!根津と狸田のドSコンビがぁああ!!」
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