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慌てて飛び起きると神倶夜がフライパンを構えて仁王立ちしていた。
「…起きろ」
やだ~、神倶夜コワ~イ!無表情かエラい恐ろしいお顔かの2パターンしかない中の後者のお顔の方をなさってた。
「小生は、そんなに眉の皺寄せると大佐は老けると思うでありますー」
「誰が大佐だ。同い年のお前は老女だろう。お前が俺と出掛けるから起こして、朝飯作っとけと言いながら何だ?その言い草は」
ばっちりと全て言い返した神倶夜の表情は無表情に戻っていた。
「お兄さま、あっざーす!!可愛い神楽の為にご飯作ってくれてるなんて。いつでも、お婿に行けるね!」
ビシッと親指を立てウインクすればコイツ頭可笑しいんじゃないか?的な顔を浮かべられた。
だけど神楽、負けない!めげないんだから!
「…ツッコミ所が多すぎるんだろ朝から…俺、お前が心配で余所に嫁に行くまで結婚出来ないかも知れないんだが」
「え?じゃあ、神倶夜…一生結婚出来ないんだね可哀想…ま、ドンマイ」
「自分が結婚出来ない自覚はあるのか。お前のが哀れだわ」
扉を出るところで、流し目を使いながら酷ぇ事言いやがった!あれがわたしのお兄さまかよ!?
「何だとォオオ!!イケメンの金持ちを捕まえてやんよ!わたしにベタ惚れの」
「…どんな物好きだよ。巡り会う確率は天文学的数値に等しい」
階段を降りながら、こちらに目をやらずに切り返す。
何だコイツ?誰か弁護団呼んで。
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