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「…は?何言ってるんだお前は。どこに美少女フィギュア買いに行く女子高生がいる?」
オムライスをスプーンで一口分を掬ったままフリーズした神倶夜。
「ただのフィギュアじゃねぇよ!いや、タダだけども…懸賞で当たった一名様限りの限定モンなんだよ!?手に入んなかったら神楽死んじゃう」
バンッとテーブルを叩き立ち上がり、答えになってない回答を唾を吐きそうな勢いで力説する。
「…死ななくても神楽、お前もうシャバに戻っては来れないだろ。そこまで来たら社会復帰不能だわ」
何事も無かったように食べる作業を再開する神倶夜に神楽は頬を膨らます。
「やだやだ!それは嫌だぁああ!わたしだけだとオタク女子じゃん!!珍獣扱いやんけっ!」
「俺からみたらオタクだわ。片足どころか全身浸かった─その珍獣の仲間にする気か」
神楽の頼み事を引き受けなければ良かった、そんな後悔の表情が隠すこともなく現れている。
「と、こ、ろが!神倶夜イケメンじゃん!そんな神倶夜を連れて行けば、ステータスアップ!みたいな?」
「俺はブランドバックか…まぁ、いいか。最終的には行くって決めたの俺だし」
心底迷惑そうな表情を浮かべ溜め息をつく神倶夜。
「ありがとぉおお!!さっすがマイブラザーじゃん!よ、太っ腹!やっふゥウウ!!」
有頂天でスプーンを振り回している神楽にどこか遠い目を向けてオムライスを頬張った。
流石は自分だ。妹の殺人的料理を食いたくが無いためだけに磨いた腕前だ。
「…俺はシスコンか?…だよな。じゃなきゃ、こんな兄離れをしない妹の面倒を見ねーよ」
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