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ノイズの中から、その声の持ち主が出てくるかのように
お姉ちゃん…いき…ましょ…
その少女の声ははっきりと私に呼びかけた。
「…!」
全身に鳥肌が立つ
今までに味わった事のない寒気が私を襲う
お姉ちゃん…いきましょう…
(いく…?)
一体どこへ行くのだろうか?
お姉ちゃん…いきましょう…一人じゃ寂しいから…
その意味を理解した時、全身から血の気が引いていった。
お姉ちゃん…逝きましょう…一人じゃ寂しいから…
少女は私を引きずり込もうとしているのだ。
生きた者のいない世界へ
(嫌…嫌だ…!)
声を出したくても、喉が渇いて声が出ない。
(助けて…誰か!)
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