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「すいませ~ん」
「どうした?」
私の声にドライバーが不思議そうな顔で入ってきた。
「変な音しませんか?」
「変な音?」
「なんか…波というか水の流れる音」
「そうか~?」
そう言ってドライバーは耳を澄ませ、そして苦笑いした。
「これ、ラジオのノイズだわ」
「ラジオ?」
「エンジン消し忘れてたからな…だから電源も入ったままだったんだろう」
そう言ってドライバーが運転席の隣にあるラジオの前に立った。
「ほら」
ラジオの音量を上げると、聞こえてきた水音も大きくなった。
「ノイズが水の音に聞こえたんだろう」
「そうだったんですか~」
「怖いみたいだからエンジン切るぞ?」
からかうようなドライバーの言葉に私は頬を膨らませた。
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