紫の黄昏

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「一度でいいからHIMIさんに占ってもらいたーい」 「無理無理、私達みたいな学生なんか相手にしてくれるはずないって」 「そんな事ないわよ。私の占いを信じてくれる人は誰だって大歓迎」 思わず女子高生達にそう声を掛けていた。 女子高生達が驚いたように顔を上げる。 「まさか…」 「いつでもいらっしゃい。待ってるわ」 ぽかんとしている女子高生達に微笑みかけて私は店を後にした。 後から女子高生達の興奮した声が店内に響いたのは言うまでもない。 それから数分後 私はお得意様を迎える準備をしていた。 必ずお客様に出す、ラベンダーティーを入れながら 紫の花は大好きだ。 特にラベンダーは人をリラックスさせてくれる色と香りがある。 ラベンダーティーは私の一番のお気に入りだ。 (お得意様はラベンダーの香りが大好きだったわね…) それを思い出してラベンダーのお香に火をつける 微かに甘い香りが店内を満たす 少しだけ照明を暗めにしたら、これで完璧だ。 後は来るのを待つだけ
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