友達

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「よ!」 「げっ、出た…」 「その反応傷付くんですけど、いやマジで」 この朝っぱらから声をかけてきたのは、ウザ男。 名前は江角啓吾(エスミ ケイゴ)。 高校一年の時から同じクラスで、家も近いことを最近知り、偶々通学途中に会うことが多い。 高校もそれなりの距離の所にあるので、私たちは自転車。 啓吾「ちょ、はやっ!!そんなに俺が嫌いかよ」 「ああ、嫌いだね!ナルシストめっ!!」 そうなのだ。 顔は良い方なので、モテるモテる。 それを自慢してきたりするから、一々かんに触る。 啓吾「天宮はその凶暴な性格を直したらどうかな?」 「殺すぞ、ナルシスト」 天宮とは私の名前だ。 天宮翼(アマミヤ ツバサ)。 自分でもこの名前を気に入っている。 響きが綺麗じゃんか。 啓吾「まあまあ。俺がこんなにも格好良いのに嫉妬するのは分かるが、少しは静寂というのを保ってだな…」 翼「どうしてそうなるんだよォォォ!!いつもおめでたいな、お前の頭の中は!」 啓吾「ありがとう」 翼「褒めてねェェェ!!嫌味だよ、気付けよ!!」 褒められたかと思ったのか、嬉しそうにニコニコ笑うから、ついどついてしまった。 啓吾「いてェ…」 翼「すまん、つい」 啓吾「名前で呼んだら許してあ・げ・る」 翼「キモッ!!」 江角がウインクをするものだから、直球に本音が出ちゃったよ。 啓吾「一年からの仲だろ?女子でも気安く名前を呼んでる奴いるぞ?ほら、お呼びなさい!さあ!」 翼「何のキャラ!?」 駄目だ、こいつと言いあってると疲れる。 そうこうしている内に、あっという間に学校に着いていた。 啓吾「ヤベッ!先生に渡すものがあるんだった!後でな!」 翼「はいはい」 私は適当に江角に手を振って、自分のクラスへと向かった。 何であいつは私に突っかかってくるんだ。 家が近いからか?
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