16人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「堀口さん。ちょっと、いいかしら?」
「ヒッ」
私の事をオバケでも見るかの様に怖がる弘子。
その顔もいいわ。
「いつもイジメてごめんね。これはお詫びよ。飲んで」
毛虫の泳いでいるミルクの瓶を堀口弘子に手渡した。
無理矢理、飲ませるのでは駄目。
あくまでも、自分の意思で飲んでもらうのだ。
「も、もう……」
「え?なに?何か言った?」
「もう、勘弁してください」
「駄目よ。飲みなさい」
毛虫に気が付いたのか、どうかは解らないが、ろくな飲み物では無いという事だけは気が付いたのだろう。
「さあ」
「ゴメン。飲めない」
「早く」
「ゴメンなさい」
「いいから飲めよ!」
最後に強く言うと弘子は観念した。
最初のコメントを投稿しよう!