始まり

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 チュン…ピピ…チュチュン…  鳥の鳴き声が聞こえる。彼女は学校へ通う途中だった。  いつもと変わらない、朝。しかし、だからこそ彼女の表情は冴えない。 (ああ…また悪夢の始まりだわ…。)  肩を落としながら、空を何とは無しに見上げる。 (あれ?) 月が。 真っ赤になって。 ドォーーーンッ!! 視界が白濁した。 熱の移動。 次元の一時的な交換。 ・・ 二人の人間を、違う場所へと。 転移。 白濁した視界がバラバラと崩れてゆく。 (どこへ。) 答えは返ってこない。  ただ聞こえるのは、静かで綺麗な誰かの声。 ―リフレイン。 続く。 ―…リフレイン。  そこで彼女の意識は途絶えた。
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