プロローグ

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Nは行く先々で鍵穴を見つけては開けて廻るクセがついてしまった。 民家のドア、机、貴重品が入っているような箱。 Nは様々な鍵を開けて、中の物を物色し、持ち帰るようになってしまった。 テレビでは連続空き巣犯として取り上げられ、あまりにも鮮やかな犯行として扱われている。 それはそうなのだ。Nはどんな鍵でも、差し込むだけで開けてしまう。 今まで絶対に空き巣は入らないと言われていた、最高級の防犯設備を持つ高級マンションでさえ、彼にかかるとただ、仕切りがついている箱のようなものなのだ。
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