雑踏

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過ぐる季節夢の中で 騒ぐ胸に鍵を掛けて 光の下筋肉痛の歩速を上げ 帰り道を急ぐ午後 渇く喉に水を流し込み 落ちてく太陽を見据えれば 覚えたての歌が 頭で鳴く いつの間にか吹かれ吹かれて こんな処まで来てしまった様で そんな風に街が動くのも 遠くぼやける奇跡の足音 君が生まれ私が探す 満ちる遙かな日々よ 人混みに埋もれてく自分の 肩を叩くのは私しか居なくて 君を見つけ私は変わる 滲む名も無き過去よ 灰色の景色に赤い絵の具を 落として今日の橋を渡ろう 過ぐる季節夢の中で 騒ぐ胸に鍵を掛けて 悴む手をポケットに入れ 帰り道を急ぐ午後の調べ 君が生きて私が生きる 越える全ての域を 君の存在があるから 人混みで私は自分の肩を叩く 空は映えて信号が変わる 歩き出す全ての人よ 疲れた今日の川は 新しい朝へと続いて行く
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