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頭の中をそんな言葉がよぎる。
関係ない、と言わんばかりに乱暴に傘立てから傘を一本ひったくる。そして足早に傘を広げて歩き始める、一歩。
「それ、私の傘なんだけど」
背中をいやな汗がどろりと流れる。
どうしようか、走って逃げてしまおうか、・・・捕まったらどうなることか。
「・・・ねぇ?」
後ろから促される。
俺は観念して後ろを、振り向く。
「あ、華さん・・・」
俺が傘を盗んだ相手は幸か不幸か、同じアパートに住んでいる住人、華さんだった。
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